心も満腹になり隊

第99作目の朝ドラ『まんぷく』についての感想ブログです。最高の夫婦を見られて満腹!!楽しかったです♡

『まんぷく』総まとめ感想

まんぷく』総まとめ感想です。
今日の総集編放送までに振り返って書くことが出来て良かったです。

セリフは曖昧なものがあります。
意味や雰囲気がかけ離れていた場合は、教えていただけると助かります。

もし、まだドラマを見ていないという方で、少しでもネタバレされるのが嫌という方は、ここで引き返してください。













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まず、振り返って、私が『まんぷく』を好きなのは事実ですが、『まんぷく』は完璧な作品ではない、とは改めて思います。

ラーメン編に入ってから、福ちゃんや香田家の主婦達が家事をしているシーンはあまり映りませんでした。
制作側が描きたいシーンではないからだと思いますし、映っていないところでしているんだろうという脳内補完はしていましたが、福ちゃんが過労で倒れる、というシーンがあるのであれば、やはり福ちゃんが家事とパートに奮闘するシーンはもう少しあっても良かったのではないかと思いました。

「美代ちゃんはタカちゃんより美人」と連呼、いじめられた子供達に対する福ちゃんの言葉、これらの批判については、平成的価値観によるところが大きいと思っています。
かといって、平成の視聴者に寄り添った内容にすると、今度は時代考証云々の批判が出そうではあります。
私としては、昭和にありそうなやり取りではあるなと思って見ていましたが、さすがに、美人云々については、タカちゃんを外見含め愛する忠彦さんや神部くんがいるとは言え、あんなに連呼しなくても良かったのではないかと思いました。

シリアスなシーンの合間に入れられたコメディなやり取り、こればかりはそれぞれの好みによるので一概には言えないと思いますが、今それを言ってしまうの?と思ったものがいくつかあったので(道頓堀の母、東大一、等々)、そこに関しては私も制作側に疑問を感じたシーンではありました。
鈴さんを無視したやり取りでも同様に思いましたが、やはり人それぞれの好みではありますし、吉○の新喜劇のようだと考えると、コメディとして描きたいという制作側の思考には納得するものもあります。

今挙げた鈴さん無視のやり取りや、嫌がる鈴さんに仕事を手伝わせるといったシーンから、鈴さんに対する扱いが酷いという意見はあると思いますが、言ってしまえば、家族に対してだからこそ出来てしまう嫌な対応、甘えや図々しさによるものもあるのかなと思います。
そういう点ではとてもリアルな家族らしさではありました。
実際に私もやってしまうことではありますし、ほとんどの方がそうだと思いますが、だからと言って、これらについて批判をするべきではないということではありません。
これらのシーンで酷いと思った人がいても、当然の感覚だと思います。
ただ、これらのシーンの酷さは、福ちゃんや萬平さん達、登場人物の短所、欠点として、制作側が意識して描いていると思います。
萬平さんの電気漁も、忠彦さんの絵が売れない頃に克子姉ちゃんがお金の援助をあっけらかんと受け取る様もそうです。
忠彦さんは普段寡黙で家族への愛は表に出しませんが娘達の恋愛の話になると親バカモード全開、真一さんは普段優しくて仕事もできますが猿渡のことになると豹変して怒り出す…
まんぷく』は、登場人物一人一人、長所と短所それぞれを見せながら、ドラマの中で生きていたように思います。
主役から脇役に至るまで、皆イキイキとした魅力的な人達ばかりで、誰もがそれぞれの人生をドラマの中で送っているということを感じられたことが、私が『まんぷく』に強く惹かれた理由の一つだと思います。
もちろん、そう思わない人もいるでしょう。
上で挙げたように『まんぷく』に欠けている点や良くなかった点はありますし、それ以外にもあると思います。
ですがやはり、総合的に見て、私は『まんぷく』という作品が大好きです。

ドン底からの敗者復活戦。
その大筋があったことで、インスタントラーメンで大成功する夫婦の話ではあるけれども、それまでの逮捕やら塩やらダネイホンやら金融やらの紆余曲折も、この夫婦の人生を語る上で欠かせないものとして、ドキドキハラハラと見守ることが出来ました。
山あり谷ありの波乱万丈の人生、時には本当に辛くて見ていられない展開もありましたが、笑いで中和してくれたり(合わない時はあったものの…)、実力のある役者さん達の演技に惹き込まれたり、様々な見せ場があるドラマだったと思います。
そして後半のラーメン作り。
どのような試行錯誤のもとまんぷくラーメンやまんぷくヌードルが出来たのか、ドラマを見ながら福ちゃん達を応援する日々は、とても楽しかったです。
もちろん史実とは違うことはあるでしょうけども、史実は史実、『まんぷく』ではああいう流れで出来て大成功したと理解しています。

そして、私が『まんぷく』の一番の魅力として見ているのが、やはり主役夫婦の二人です。
ヒロイン役に安藤サクラさん、その夫役に長谷川博己さん。
お二人のそれぞれの出演作のうち、私が見たことがあるものはごく一部ではありましたが、とても個性的で魅力的な演技をされる二人だという印象でした。
モデルとなるのが、インスタントラーメンを開発した安藤百福さんと、その妻の仁子さん。
恥ずかしながら、モデルのお二人のことは、ドラマの概要を知ってから検索して知ったのですが、夫婦仲が大変良かったとのこと。
そしてドラマでは、一度ドン底まで落ちた発明家とその妻が、敗者復活戦で大成功するという話を、夫婦の愛をベースにして描くとのこと。
安藤サクラさんと長谷川博己さんで、朝ドラとしてそんな話が見られるなんて!』と放送前に期待していたところ、ドラマが始まってみれば、笑いあり、魅力的な登場人物ありで、本当に楽しくて!
何より福ちゃんと萬平さんが可愛く可愛くて!!
幻灯機をきっかけに出会った二人が、三年後に再会して交際を始める過程が本当に好きで、自分でも驚くほど、ドラマにのめり込んでいました。
二人がラブラブだとすごく嬉しくて、ツイッターやこのブログで叫ぶのもとても楽しかったです(笑)

メインとなるラーメン作りも、それまでの数々の発明や試練も、長谷川さん演じる萬平さんが主役のように見えることもありましたが、主役でヒロインは、やはり安藤さん演じる福ちゃんでした。
放送中、萬平さんについていくだけの、何もしない、何も生み出さないヒロイン、と書かれているのを何度か見ましたが、そんなことはないと声を大にして言いたいです。
福ちゃん自身が主体となることはありませんでしたが、福ちゃんは自ら萬平さんの支えになることを選びました。
福ちゃんは、萬平さんの奥さんであり、発明家・立花萬平のファンでマネージャーなんだと思います。
福ちゃんの人物紹介に『究極のマネジメント能力を身につける』とあり、家事や家計の面から夫を支えるという期待もありましたが、残念ながらそういう面はあまり見られませんでした。
もちろん家事はずーっとしていたんでしょうし、家計で悩んでいる姿が見られましたが、財布の紐をきつく締めている様子はなく、むしろ萬平さんの好きにさせていたと思われます。
ではどういうことか?と振り返ると、福ちゃんの『マネジメント能力』は、萬平さんが落ち込んだ時・行き詰まった時に発揮されるものでした。
「萬平さんなら大丈夫」と何度も繰り返されたセリフ、言われ過ぎるとプレッシャーがかかるのではないか?と心配していましたが、萬平さんにとっては、その言葉が力になっていたと思われます。
ラーメン作りが上手くいかなかった時は「ダメだと分かったことが一歩前進」というポジティブシンキングで萬平さんを奮い立たせていました。
そして、萬平さんが間違った方向に向かっていると感じた時は、福ちゃんが萬平さんを諭していました。
当時このブログでも書きましたが、「まんぷくラーメンを生み出した萬平さんには責任がある」と言える福ちゃんは本当に凄いと思います。
萬平さんが根菜切断機を見せて「世の中の役に立ちたい」と語った夢を、福ちゃんも大切に思っているからですよね。
萬平さんのことが好きで、発明家としての萬平さんの才を信じているからこそ、萬平さんが発明家として成功するよう支えることを選んだからですよね。
萬平さんのファンだからこそ、萬平さんの手伝いが出来ることが嬉しいし、マネージャーだからこそ、萬平さんと一緒に仕事について考えて、アイデアを提案することが出来る。
福ちゃんの『究極のマネジメント能力』は、そういうものだったと思います。
何も生み出していないとしても、発明家・立花萬平のマネジメントに尽力した福ちゃんは、間違いなく今作のヒロインです。

ですが、ただただ萬平さんを信じてついていく様は、ある意味狂気とも言えました。
上記の「萬平さんなら大丈夫」もその典型例ですが、非常識とも言える萬平さんの行動の数々を、ほとんど否定せずに応援し見守っていた福ちゃんもまた非常識で、夫婦揃って(笑)マッド化していたと思います。
そう考えると、いじめられた子供達に対する福ちゃんの言葉は、お父さんは凄い人、あなた達も誇りに思ってほしい、ということなので、とても福ちゃんらしいと思えるわけですが。
だからこそ、鈴さんとの対比が活きていました。
脚本家の福田先生は、ヒロインのモデルである仁子さんのお母様が『私は武士の娘です』を口癖としていた、と聞いてから、鈴さんというキャラクターが出来て、ヒロイン夫婦のキャラクターと関係性が見えてきたというようなことをインタビューで言っていました。
鈴さんは、萬平さんのやることにすぐに反対するし、何でも悲観的に捉えがちですが、とても現実的で、当時の女性・母としての至極真っ当な意見を言う人です。
福ちゃんが鈴さんのような考え方を少しでも持っていたら、萬平さんはラーメン開発も出来なかったでしょうし、ダネイホンも塩も作れなかったでしょう。
というか、早々に離縁されているか、結婚すらしない可能性が高いです( ̄▽ ̄;)
そうでなかったから、福ちゃんは萬平さんと鈴さんの間に挟まれて、結果萬平さんを優先しがちになる、というドラマの形が出来たんですね。
萬平さんの「福子がいなかったら、僕はここまで来られなかった」という言葉に、改めて、本当にその通りだと確信しました(笑)
周りにも支えてもらいながら、夫婦二人三脚で大成功をおさめましたからね。
史実を踏まえつつ、モデルの方々とは異なる部分もたくさんあったと思いますが、結果ドラマとして、山あり谷あり、苦しい時もあったけれど、愛と笑いがたくさん詰まった楽しい物語となったと思います!!

最初に書いた通り、『まんぷく』は完璧な作品ではなかったですが、私にとっては、なんだかんだ言っても、やはり最高の作品でした。
まんぷく』ロスになるほど、関連書籍やDVDも買ってしまうほど、大好きな作品でした。
ロスにはなりますが、結果満腹になれる作品でした。
笑えるシーンがたくさんありました。
ハラハラと見守りながら、福ちゃんと一緒に涙するシーンもありました。
萬福夫婦にニヤニヤするシーンもたくさんありました(笑)
経験豊富なお二人の素晴らしい演技を、ヒロインとヒロインの夫として朝ドラで見られたことが、本当に嬉しくてしょうがなかったです。
主役夫婦だけではなくて、『まんぷく』の登場人物全員大好きです。
スピンオフは今のところ制作予定はないとのことですが、数年後だろうと待っています!

楽しい半年間を、本当にありがとうございました!!
最高の夫婦二人三脚でした!!
今日の総集編も楽しみです♪